2011/12/29
グリコ・森永犯、怪人21面相のそっくりさんたち 【ファイルSO01】2011.12.29
【ファイルSO01】2011.12.29 グリコ・森永犯、怪人21面相のそっくりさんたち
禁煙パイポのおじさん、宮崎学さんと栗本慎一郎さん
1984年3月18日午後9時30分頃、江崎グリコの社長が、目出し帽を被った3人組の男たちに兵庫県西宮市の自宅から連れ去られるという誘拐事件が発生しました。 これが当時の日本列島を震撼させたグリコ・森永事件=かい人21面相事件の発端です。
犯人グループは10億円と金塊100キロを要求する脅迫状を送りつけますが、誘拐された江崎社長は自力で脱出。
これで事件は解決に向かうと思われましたが、犯人グループは「かい人21面相」と名乗り、グリコだけでなく、森永製菓やハウス食品など食品メーカーを次々に脅迫。
犯行は次第にエスカレートし、「どくいりきけん たべたらしぬで」と書いた青酸入りの菓子をスーパーに置くなどして、「大量流通・大量消費社会」を人質にとる前代未聞の展開を見せました。
犯人は企業だけでなく、メディアにも140通を超す脅迫状や挑戦状を送り付け、国民を巻き込んだ『劇場型犯罪』の走りとなりました。
のべ130万人もの警察官が投入されたにもかかわらず、2000年2月全面時効が成立し、事件の真相は解明されないまま、現在に至っています。
真犯人をめぐって、さまざまな説が取り沙汰されたましが、そのどれもが確証を得るものではなかったのです。
この事件により、国民は食の安全を脅かされ戦々恐々としていました。
それまでグリコのポッキーはスナック等でお酒に入れて出されていましたが、姿を消してしまいました。
当時子供だったタレントの山瀬まみさんは、お父さんが森永製菓の社員で、当時は事件の影響で菓子が売れず、ボーナスがカットされて、菓子が支給されたとテレビで語っていました。
まず、グリコ森永犯と言えばキツネ目の男。
この似顔絵が発表された当時は、「この人が似ている」という警察に対する通報というかチックリというか告げ口というか、密告というか・・・、が酷かったそうです。
教え子が学校の先生が似ているとか、会社員が上司に似ているとか通報し、魔女狩り状態になりました。
かなりの数の人が、日頃快くないと思っている人を警察に売り渡したようです。
うへえ!怖いねえ。
でも、自分が嫌いな人間が警察に取り調べられてザマアミロの上、もし通報した相手が真犯人なら警察から褒められ、ヒーローになれるから、これは美味しい話だねえ。
キツネ目の男に似ている人と言えば、まず思い浮かぶのが、
『やめたいひ~との禁煙パイポ♪』のおじさん。
まず、サラリーマン風おじさん二人が、アルマン社のタバコ型の禁煙グッズ『禁煙パイポ』を手に持って『私はこの禁煙パイポでタバコをやめました』のという台詞のあと、三人目に『私はこれで会社をやめました』とつぶやく情けないおじさんです。
出演した三人のサラリーマン風おじさんは日本禁煙友愛会のメンバーで、キツネ目のおじさんは、東京都の職員だったそうです。
あと、キツネ目の男に似ていると言えば、有名なのが『突破者』という著作のある作家の宮崎学氏です。
事件当時の宮崎学氏。
事件の流れはとても複雑で、常に警察の捜査の裏をかき混乱させた犯人グループが、単なる素人の集団であるはずがありません。
事実、この事件を真似た素人の模倣犯が次々と発生しましたが、これについて警察はいずれも犯人を逮捕しています。
宮崎氏は企業の内情に詳しく交渉力に長けた総会屋の経験があり、暴力団や総会屋と繋がりがあって、しかもグリコとの揉め事に介入し、犯行現場に土地勘があり、数々の遺留品とも関連があって、かつキツネ目です。
さらに宮崎氏は、『計画的で大規模な犯行を実行できる緻密な頭脳と胆力を持つ』という犯人像に合致していたのですね。
結局、宮崎氏はキツネ目の男が目撃された1984年6月28日には都内の音楽大学の労組会議に出席していたアリバイがあったために逮捕を免れることができました。
以前、宮崎氏がジャーナリストの大谷昭宏氏とテレビに出演しているのを観たことがあります。
以前、宮崎氏がジャーナリストの大谷昭宏氏とテレビに出演しているのを観たことがあります。
大谷氏は宮崎氏とは早稲田大学の頃からの友人で、これまで宮崎学氏を犯人として徹底取材していて、宮崎氏に対し、「もう時効なんだから、友人の俺には自分がやったと本当のことを話してくれ」と温かいアドバイスというか、エールを送りました。
それでも宮崎学氏は、『自分は犯人じゃない』って否定していましたけれど・・・。
アリバイがあって、釈放された宮崎氏を犯人だとする根拠はありません。
当人は「このネタで仕事が増えたし」とはおっしゃっていましたが・・・。
現在の宮崎学氏。
この映像をテレビで観た作家の筒井康隆氏は、画面を指してこう叫んだそうです。
「これは絶対に栗本慎一郎だ!」
栗本慎一郎氏は、有名な経済人類学者です。
栗本慎一郎氏は、有名な経済人類学者です。
当時の栗本慎一郎氏。
成る程、ビデオを観ると筒井氏が言うように、当時の栗本氏は長髪で、トレードマークのハンチングを野球帽にして、眼鏡をサングラスに替えればシルエットがそっくりで、なおかつ、サングラスを外せば切れ長のキツネ目です。
これには因縁があって、それより少し前に当時明治大学教授だった栗本慎一郎氏は、SF小説の大家筒井康隆氏が書いた純文学作品の『虚航船団』という小説を「純文学に引き摺られた鬼才筒井康隆氏らしからぬ駄作」と酷評しました。
というより、「つまらん」と言い切ったのですね。
栗本氏はさっそく宴会で、野球帽を被り、サングラスをかけてコンビニの陳列棚を物色するポーズで『グリコ・森永犯』のモノマネネタを披露して、大受けしたばかりではなく、グリコ・森永犯の『どくいりきけん たべたらしぬで』を題名に使った『毒入り教授より愛をこめて―愚の眼・鷹の眼』という本さえ出版しました。
現在の栗本慎一郎氏。
中野浩一氏の写真。
そっくりさんについては、今後も記事にしていきますね。